「 今 」が 「 過去 」に 変わったとき

ある日突然大切な人を亡くすことは

「 痛み 」なのです

 

心も体も痛むのです

例え血が出ていなくても

骨が折れていなくても痛むのです

 

痛み止めの薬などいくら飲んでも効きません

体をさすっても 自分の輪郭さえ感じません

 

つらい 悲しい 苦しい 涙が出る

そんなことすら思いつかないぐらいに 

ただただ 途切れることなく 痛いのです

大切な家族を亡くして 命の大切さを痛感したのに

死んでしまった方が楽なのではと 思うほど痛むのです

 

被災して ある日突然大切な人を喪うというのは

病気や 怪我とは違う 「 痛み 」なのです 

 

私は いまだに悲しむことが出来ません

「辛かったでしょう」と言われても実感がありません

涙は自分でも知らない間に勝手に流れています

「苦しいでしょう」と言われれば

私よりも母や祖母の方が

何千倍 何万倍苦しいはずなのにと思うのです

 

通常の心のケアやセラピーでは

治らないことも知っています

 

これまで何度も痛みを和らげようと

多くの資料を調べてみましたが

願いがかなったことは一度もありません

 

「 痛み 」の経験を伴わないものには

ちぐはぐで 的外れな言葉しか見当たりません

それだけ 向き合うことが難しい痛みなのです

 

現に私は 被災してこの痛みを知ったとたん

震災前に苦しんでいた過呼吸の症状が止まりました

辛くて苦しいと思っていた過呼吸の症状よりも

「 痛み 」の方がはるかに大きかったのです

 

その痛みが楽になったと感じたのは

同じように被災の経験がある方たちと

心の内を 話しあい 聞きあった時です

 

楽になったというよりは

安心出来ると言った方が近いかもしれません

でもこれは とても嬉しい大きな一歩です

 

被災した人全てが同じではありませんが 

私には この方法が一番適しているようです

 

それでも 一生この「 痛み 」とは

向き合わなければいけないことも知っています

何故なら 過去は変えることが出来ないからです

 

どんなに後悔しても あがいても

過去を変え 大切な人を助けに行くことは出来ません

しかし 今なら間に合うのです

 

「 今 」が 「 過去 」に 変わったとき

痛みを伴うことが無いよう

私達が 今できることは何でしょうか

家族に 痛みを経験させないようにするには

私達はどうしたらよいのでしょうか

答えはすでに 出ているはずです

 

このような「 痛み 」など 無くなってしまえばいい

私は いつもそう思うのです

 

語り部をすると決めた時から

私の覚悟はできておりますので 

記事の内容に遠慮はしないでください 

出来るだけ多くの方のお目にとまりますよう

どうか シェアをお願いいたします

 

#語り部佐藤麻紀