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主演男優のいない一人称視点 『ハードコア』

ロシア・アメリカの合作SFアクション『ハードコア』を見て来ました。

この映画、主演男優がいません。

全編のほとんどが、主人公”ヘンリー”の一人称視点で描かれ、観客は主人公の見聞きするものを追体験する構造になっているからです。

革新的ではありますが、それほど効果的ではありませんでした(笑)。

根本となるストーリーが面白いので、気にはなりませんでした。

【物語】

記憶を失い、目覚めた男・ヘンリー。

左手と左足を精巧な機械に作り変えられ、発声器官がないため声も出せないヘンリーは、研究施設から町に放り出される。

神出鬼没の謎の男・ジミー(シャールト・コプリー)に助けられたヘンリーは、ある軍需産業の執拗な追跡を交わしつつ、真相に迫っていく。

…約90分の上映時間のほとんどがガン・アクションかカーチェイスで、しかもそれが一人称視点のため、映像は終始激しくブレまくりです。だんだん気にはならなくなりますが、耐えられない人もいるかと(お年寄りにはオススメできません…)。

記憶を失った主人公が、なぜか自分にインストールされている特殊能力を使って追手を撃退しっていくという物語、ほとんど『ジェイソン・ボーン』シリーズのよう。面白いのは、主人公の前に現れる謎の男=シャールト・コプリーです。

ある時はホームレス、ある時はパンクロッカー、ある時は陸軍大佐として、姿を変えて何度も登場。その正体こそがSF的設定であり、B級映画ならではの面白さはここにあります。

バイオレンスにまみれたゲーム感覚の映画なのですが、主人公が深刻な事態においてもユーモアを忘れない性格であったり、それなのに顔がほとんど映らない謎もあって、妙に深みがあります。

★★★。こういう映画は好きですね。当たらないでしょうが…。