◆ 天皇退位、理由は「国民の理解と共感」 特例法案に明記

天皇退位、理由は「国民の理解と共感」 特例法案に明記

朝日新聞】 04/14 05:08

 天皇陛下の退位を実現するため政府が検討する特例法案の概要が13日、判明した。第1条に、いまの陛下の「お気持ち」に対する「国民の理解と共感」に基づいて退位するとの事情を明記する。全体で10条程度の構成とし、退位後の称号を「上皇」とするなど退位に伴う制度設計の全体像を盛り込む。

 政府は大型連休明けの5月上旬にも国会に特例法案を提出し、会期内の成立をめざす。

 第1条には、被災地の訪問など象徴としての行為を大切にしてきた陛下が、高齢でお務めを果たすことが困難となりご心労を感じている、との事情を記す。その「お気持ち」への「国民の理解と共感」を退位の理由とすることで、天皇の国政関与を禁じた憲法に触れないことを示す。

 政府は皇室典範が定める「終身在位」の原則は維持する考えだが、政府関係者は「天皇の意思ではなく、国民の理解と共感に基づくなら、退位可能だという先例になる」と指摘する。

 2条には、天皇が退位し、皇位継承順位第1位の皇嗣(こうし)(皇太子さま)が直ちに即位する旨を明記。3条には、退位後の天皇を「上皇」、皇后を「上皇后」と定める。敬称はいずれも「陛下」とする。

 上皇家を補佐する機関として「上皇職」を新たに設けることも条文に記す。上皇上皇后は新たな称号となるため、皇室の戸籍簿にあたる皇統譜(こうとうふ)にも登録する。上皇が逝去した際は天皇と同じ「大喪の礼」を行う▽上皇上皇后は天皇、皇后と同じ「陵」に埋葬▽上皇皇位継承摂政の対象とならず、皇室会議の議員にならない▽養子をとれず皇籍離脱をできない、といった規定も盛り込む。

 退位の日付にあたる特例法の施行日は、首相が皇室会議の意見を聴いたうえで公布から3年を超えない範囲で政令で定める。政府は2018年12月中とする方向だ。特例法の付則には、秋篠宮家を「皇太子待遇」とするための皇族費の増額、秋篠宮さまを補佐する「皇嗣職」の新設など関連規定を記す。また、皇室典範の付則を改正し、「この法律の特例として天皇の退位について定める特例法は、この法律と一体をなす」との規定を盛り込む。